学生の頃、テニスはナンパなスポーツだと思っていた。

いわゆる、羽子板の大きなものだと。

どこかのお嬢様が『そーれ』ポ〜ンてな感じで。



大学を卒業した時、あるスポーツ用品販売会社に就職した。

当然、野球用品部門に回されると思っていたら当時、流行りで忙しいテニス用品部門に回された。

野球一筋でテニスなんてやったこともなかった私は

しょうがない、テニスを勉強するかと言うことになった。

テニス用品を販売するのだから、実際にテニスを知らないといけないとだろう思い

仕事が休みの日にテニススクールに通うことにした。

やってみて分かったがこれが結構ハードなのだ。

たったあれだけのコートなのに止まらずに走り回っているとキツいものである。

野球をやっていたこともあって、走りも打ち方もすぐに慣れたが

ナンパなスポーツと言う考えはすぐに改めた。

そして、これが結構ハードなりに楽しいのだ。

野球のようにチームでやるのも楽しいが

1 対 1で戦うのも相手の弱点さがしをする楽しさがある。

そして、スクールに行ってびっくりしたことは

隣りのコートでおじいちゃん、おばあちゃんが楽しそうにテニスをやっているのだ。

これは年をとっても出来るスポーツだからやっていてもいいなと思った。


テニス用品を販売するためにテニスを始めた訳だが

こ・こ・だ・け・の話、おどろきの実態があった。

その会社の社員旅行があって、そこでテニス大会があった。

スクールで鍛えた成果が発揮できるぞ！

いざ、試合が始まった。

私はおどろいたぁ！

『え〜っ、うそだろう』

なんと、テニス部門の先輩方ほとんどの人がテニスがうまくなぁ〜い。

私のイメージではスクールのコーチみたいにうまくて

パコーン、パコーンと激しいラリーが繰り広げられるものだと・・

1番うまいのはテニス部あがりの店長で、なんと、その次にうまいのは私だった。

練習の成果が・・と言う喜びよりも

ほとんどの先輩が知識（能書き）だけで、偉そうに販売していたのか。

そう思うショックの方が大きかった。

他のスポーツ会社ではそんなことはないと思うので悪しからず。

ただ、それ以来、今でも野球用品やテニス用品を買う時、

専門的な質問をして

『ふ〜ん』と

相手の困り具合を楽しんだりしている。

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