珈琲館時代にアルバイトの女の子にこう言われた。

包丁を研いでいる私に向かって

『へ〜っ、包丁って研ぐものなんだ？』

『当たり前じゃん！切れなくなったら研がないと

お母さんも研いでいるでしょう』

『いいえ、ウチでは切れなくなったら捨てています』

『え〜っ、もったいなぁい』

『それで、お母さんが100円ショップで買ってくるんです』

『どっひぇ〜』

そうか、今100円ショップで包丁も買えるもんな

それでも、最初は少し研がないと切れないと思うが。

考えてみれば、昔は包丁研ぎのおじさんが近所を回って

包丁を研げない奥様方の代わりに包丁を研いであげていた。

それでも、1本500円くらいの手間賃を払っていたので

それだったら、新しい包丁が5本買える訳だ。

これも時代の流れなのだろうか。

はたして、包丁を研げる奥様方はどれくらいいるのだろうか。

ちなみにウチでは包丁研ぎは私の担当です。

野菜を切る音とまな板の音で

『あっ、もう切れなくなっているな』と分かります。
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