2008年03月01日
草野球だって礼外じゃない!
私は子供のソフトボールのコーチをやる前は草野球のチームでガンガン(?)走り回っていた。
珈琲館戸塚店を中心に都内から神奈川のいくつかの店の店長や従業員の人で作られていた。
隔週水曜日の夜、ナイターで市営のグランドを借りて練習試合をやっていて
私も横須賀に店を出してから参加させてもらっていた。
平日の夜と言うことで相手チームも限られて気心知れたもの同士の戦いだった。
いいのか、悪いのか試合も勝負にはこだわっていたが遊びの感覚だった。
当然、遊びで結構なんだけど、
『違うんだぞ!もっと野球って楽しいんだぞ』
野球人の私としては出しゃばりたくなってしまうのだ。
チームに入ったのは一番後だったが珈琲館ではみんな部下だったのが幸いして
でしゃばった。
平均年齢が28才くらいの中に40才の私がいて『おやじ』と呼ばれていた。
でも、自慢じゃないがまだまだ負けてはいない。
月日が経つにつれ
『本当に野球やっていたんだ』の証を積み重ねていった。
野球自体はみんな好きだから知っているし、休みの日にはバッティングセンターにも行って腕を磨くほどだ。
そんな彼らにも『なるほど!』と思わせることを少しずつ教えていった。
例えば、草野球の場合、キャッチャーのサインはグー、チョキ、パーが多い
ランナーに出た時やコーチャーズボックスからサインが見える。
すぐにカーブのサインも分かる。
一塁コーチャーが『打っていけー!』と言ったら直球だぞ。
『良く見ていけー!』などそれ以外だとカーブだぞ。と教えてあげる。
すると、カーブを狙い打ちってなことになる訳だ。
そして、ランナーに出て盗塁する時はカーブの時に走るんだぞ、と教える。
ピッチャーはボールをカーブのにぎりでにぎっているのでけん制球を投げる確率は少ない。
更にボールが曲がって遅くなる分、キャッチャーからの送球は遅くなる。
だから、セーフになる。
それだけではない、盗塁だけどバッターにも大事な仕事がある。
ランナーからバッターに『盗塁するぞ』とサインをだせば
バッターは足場を直すふりをしながらボックスの一番後ろに構える。
キャッチャーも自然に後ろにさがる。
一歩セカンドに遠くなる訳だ。
そのような細かいことを教えていき、チームで勝つことをおぼえて行った。
そして、いつしか市の大会に参加するようになり日曜日に試合するようになった。
日曜日はお店が忙しいはずなのにみんなちゃんと来ていたのだ。
もちろん、仕事より野球が好きだからだ。
まっ、日曜日はアルバイトが集まりやすいのと店長と言う権力をいかしてかも知れない。
もっとも、普段一生懸命やっている店長を野球の試合だけは行かせてあげたいと従業員たちは思っていたみたいだ。
1番下のCクラスで回りもそれほど強くはなかったのだが
いろいろな知らないチームと当たるので楽しい。
いままで、自分のチームは一番弱いと思っていたが
下には下がいるものである。
その中で勝ちを覚えるとだんだんと欲が出てくる。
公式の大会だから負けると終わりだ、勝ち進みたい。
自然と力が入るし、負けると悔しがる。
ただ、ひとつだけ私は気になるところがあって
試合前に金網のとびらを押してグランドに入りベンチに向かう訳だが、その時点で負けている。
勝つ気持ちが見えない。
私はみんなにお願いをした。いや、命令だったかも知れない。
グランドに一歩入ったら帽子を取って大きな声で『お願いしまぁ〜す』と言って入れ!
『試合前にグランドに入った時から勝ちに行こうぜ!』
そう、声から勝ちに行かないといけないのだ。
礼儀良くすることによって審判への印象を上げるのも強いチームは必ずやっているひとつの作戦なのだ。
バッターボックスに入る時に主審に『お願いしまぁ〜す』と言うのも同じだ。
始めのうちは
『いいよぉ、高校野球じゃないんだからぁ』と照れくさがっていたが
勝ちを意識するようになってだんだんとやるようになってきたのだ。
気持ちも強くなってきたのだ。
そして、私が引退する最後の大会に3年間みんなが頑張った成果が表れた。
Cクラス準優勝に輝いたのだ。
不戦勝と言う幸運にも恵まれたが、まさかここまで来るとは思わなかったのでかなり嬉しかった。
そして、上位2チームは上のクラスへと上がれるのだ。
Bクラスのチームと戦えるのだ。
Bクラスの大会の時はすでに私はいなかったが、そこには更に面白い野球が待っているはずだ。
準優勝もBクラス昇格も嬉しかったが何よりも私が嬉しかったのは
『お願いしまぁ〜す』
みんなが自然にやっていたことだ。
照れくさがっていたおやじたちが
面倒くさがっていたおやじたちが
ちゃんと礼をしていることが何よりも嬉しかった。
全てはそこから始まるのだから。
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